甘えと甘やかしの違い
子供を育てていくうえで、『「甘えさせてあげる」ことはいいけれど、「甘やかし」てはいけない。』とよく言われています。
甘やかさないように、厳しく育てました!では、子供の心の発達において、悪影響を及ぼすことさえ言われています。
では、甘やかさないと甘えさせてあげるの違いは何でしょうか。
本記事は、たっぷり甘えさせて育てたいけれど、それは甘やかしになっていないか、お悩みの方に
子供に「甘えさせてあげる」ことと、「甘やかし」の違いについて説明していきます。
本記事は5分ほどで読めます。
この記事を書いている私は、オンライン完結型教育アドバイザーをしています。
私自身も子育てを経験し、日々、甘やかすと甘えさせるはどう違うのか、現状は甘やかしてはいないか悩んできました。
私が調べてきたこと、経験したことなどをご紹介します。
目次
- 子供にとって「甘える」とは?
- 甘えて育つとどうなるか?
- 甘えて育てなかった子はどうなるか?
- 甘やかすの本当のいみとは?
- 何歳まで甘えさせてあげることが必要?
1.子供にとって「甘える」とは?
一般的に「甘え」という言葉は、「あの人は甘えているよね」といった使い方をします。
その場合、自分でできることをせず、相手の好意によりかかっているからいやね。という気持ちが含まれています。
ですが、子供を育てるうえでの「甘え」は子供が健全な心で成長するためにはとても大切なものです。
子どもにとって、「甘える」という行為は、親の愛情を求める行為と考えられています。
スキンシップを求めて抱きついてきたり、「見てみて―」と自分に目を向けさせようとしたり、
わがままを言って親を困らせたり、変な言葉を言って困らせたり、これ、全部子供からしたら「甘えている」状態です。
考えてみてください、子供って、うちの子もそうですが、
忙しいときに限って…
私たちが掃除や片づけや仕事をしている最中、朝の忙しいとき、電話をしているときに「お母さんー、これ○○してー」とか、「ねぇねぇ、今日ね、こんなことがあったよ。」と話しかけてきませんか?
子供はそうした言動が受け入れられることで、「自分は親から愛されている」と安心します。
これを繰り返すことで徐々に自分自身の自己肯定感が高まり、自立心が高まっていきます。
2.甘えて育つとどうなるか?
では、甘えて育つとどうなるのでしょうか。
甘えれば甘えるほど、あなたとの信頼関係は増し、自分はこの世に存在していいんだ、
この世界は愛に満ち溢れているんだ、と感じることができ、
自己肯定感が高まり、いろんなことにチャレンジしてみようという気持ちが沸き上がり、
自分でいろいろなことができるようになり、他人に優しくできるようになり、副産物的に地頭もよくなります。
今、「お母さん、お母さん」って子供が言ってきますよね。
幼稚園や外でいやなことがあれば、それをちゃんと表現できずに家ではぐずぐずぐずぐず。
育児書を見たり、他のママに相談しても、「そんなもんだよ。」とか、「今はそんな時期」としか書いていませんよね。
正直、「今うちの子は私に甘えているんだ」という感情はあまり持てませんよね。
お母さんだって人間だから、そして、一番身近にいる人間だからつい、感情が高ぶってしまったということもあると思います。
私もうちの子のぐずぐずぐずぐずでつい、「うるさい!黙れ!」という怒り方をしてしまったことが何度もあります。
だけど、それ以外の時は、子供の気持ちを受け止めてあげてください。
3.甘えて育てなかった子はどうなるか?
それでも子供の要求にすべて答え、「甘え」させることは依存心が強くなってしまい、子供のためには良くないのではないか。
と考える方もいらっしゃると思います。そんな方には、下記の事例をご説明をいたします。
今からおよそ50年ほど前に、乳児院で暮らしている赤ちゃんに、
定期的にミルクをあげるグループと赤ちゃんが望んだときにミルクをあげるグループの2つに分けて育てたそうです。
定期的にミルクをあげるグループは決まった時間にしか世話をしてもらえません。
一方、臨んだときにミルクをあげるグループは、赤ちゃんがしてもらいたいときにあやしてもらったり、抱っこしてもらったりしました。
定期的にミルクをあげるグループでは、2週間もたつと、夜中になく子供がいなくなりました。
さらに追跡調査をすると、
このグループの子は、周囲の人に対する不信感と、自分に対する無力感が芽生え、
何かしらの困難にぶつかったときに、すぐに諦めてしまう子に育っていたそうです。
一方、自分の望んだときに世話をしてもらった子供は、周りの人に対する信頼と、自分に対する自信を育んだそうです。
かわいい我が子、大きくなってどちらの子になってほしいですか?
4.甘やかすの本当のいみとは?
一方、甘やかすとは親の過保護、過干渉、つまりは親のエゴ、親の都合が含まれています。
また、本来ならば子供ががまんしなくてはいけないときに我慢させないことです。
例えば、出かける際に、子供が自分で靴を履こうとしているのに、「時間がかかるから」と親が履かせてしまったり、
公共の場で騒いでいるのに、うちの子が興味を持っているから、元気があるから、と注意しなかったり、
子供が欲しがっているからとすぐにおもちゃやお菓子を買い与えたりするのは、「甘やかし」となります。
その行動の意味を考えると、根底には子供のためよりも、親のためといった視点が多く見受けられます。
過度に甘やかして育てると、いつまでも親を頼り、精神的・社会的な自立が阻害される恐れがあります。
将来的にはいわゆる、マザコン、ファザコンになります。
これが「甘やかされて」育つ本当の意味です。
5.何歳まで甘えさせてあげることが必要?
よく、育児書には、○歳まで甘えさせてあげることが大事!と書いてありますが、
きちんと甘えて育ってきた子は、どんなに甘えん坊の性格でもそのうち、「甘えて」こなくなります。
ですが、子供の性格として「面倒なことはしたくない」といった性格がある場合や、
幼稚園や保育園でのストレスがある場合、兄弟ができて赤ちゃん返りした場合、
いつまでたっても「甘えて」くることがあります。
「面倒なことはしたくない」といった性格の場合は、子供の気持ちを受け止めてあげつつ、優しく、怒らないで本人ができるように促し、
幼稚園や保育園でのストレスがある場合や兄弟ができて赤ちゃん返りした場合は、一過性のものなので
その時まで甘えさせてあげることが大事です。
うちの子の場合、幼稚園でのストレスが大きく、年少さんの時には自分で着替えられるようになったのに、
年中、年長さんの間はなかなか自分で着替えられませんでした。
そんな時は、
着替えを手伝ったり、よーいどんで競争したり、子供に右足を履かせて、私は左足の靴下を履かせたり、
幼稚園で今日あるだろう楽しい話、お友達が待ってるよとの話をしたりしました。
時々気分が乗って、自分で着替えられるときは沢山ほめてあげたりしました。
一過性のものでも、2-3年かかることもあります。
子育ては育児本通りにいきません。近くに子育てで相談できる人がいない、子供の教育で相談できる人がいない、リアルでは相談しにくいという方は、ぜひ、ご相談ください。あなたは一人ではありません。
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